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知見のある男は洒脱に着こなす
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2016.08.17

D’URBANのwebコラム「DIARY OF FASCINATING MAN」岸由利子の”しびれる男”鑑賞ダイアリー

「今、この世で一番グッとくる男性を1人挙げなさい」-そう聞かれたら、私は3秒くらい考えるフリをしてからすぐにこう答えるだろう。「伊丹十三監督の映画『お葬式』で、主人公の俳優役を演じる俳優の山崎努さんです」

ほとんどのシーンで喪服を纏った山崎さんの全身からは独特の色気が香り立ち、言葉だけではちょっと形容しがたい、女として何かこう 本能的にそそられるものがある。彼自身が魅力的な役者であることは言うまでもないが、黒無地のダブルスーツに真っ白なワイシャツ、ブラックのネクタイとい う厳粛で究極にシンプルな装いが、着飾るよりも逆に、内に秘めた魅力を鏡のごとく外見に鮮やかに映し出しているように思えて、この映画を観れば観るほど、 ときめきのバロメーターはぐんぐん上がっていく。

動くたびに、ジャケットの袖口からちらりと覗くシャツのカフスや左手首に巻かれた腕時計、しゃがんだ時に見える黒い靴下…そんな些 細なモノクロのディテールに大人の男の渋さや余裕、頼りがいと同居する頼りなさ、意外な茶目っ気、ユーモアなど、彼が持つさまざまなキャラクターが(勝手 に)垣間見えてくるのだ。

邪道を承知で言わせていただくと、一番グッとくるのは、緩んだ時の山崎さんのスーツ姿。ジャケットの前釦は開けっ放し、靴もスラッ クスも水でびしゃびしゃ、釦を外したシャツの襟元に巻かれたネクタイはもはやその意味を成してはいない。それでも素敵に見えてしまうのは、やっぱり色気の しわざだ。

男の色気とは、一体何か。…

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PROFILE プロフィール
岸由利子

岸 由利子 – Yuriko Kishi 著述家・画家
英国ロンドン・セントラルセントーマーチン美術大学FDM(ファッションデザイン・ウィズ・マーケティング科 学士号 <Bachelor of Arts>)卒業。在学中、スーツの聖地・サヴィル・ロウ1番地「ギーブス&ホークス」で日本人女性として、約2年半に渡る異例のテーラリング修行を伝 授。帰国後、ブランド「マルコマルカ」を創立し、東京コレクションにて最年少女性デザイナーとしてデビュー。ファッション界で活躍したのち、文筆業に転 身。オーダースーツや腕時計などのファッション・芸術・文化などの分野で執筆する。近年の共著に「人を引きよせる天才 田中角栄」「先生が教えてくれな かった 大日本帝国」「武士道の極意に触れる流派から学ぶ日本の礎」(いずれも笠倉出版社)、スイスの高級メンズ腕時計を特集した「腕時計ライフ」(玄光社)などがある。
Facebook:https://www.facebook.com/yurikokishi.wwl
Instagram:http://instagram.com/kishiyuriko

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