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2016.12.12

―100 年前の感動を 100 年後に― 「半・分解展」本日18:00まで開催中

2016年、紳士服の歴史的に見ると「スーツ生誕350周年」にあたる節目の年に珍しい展示が渋谷・ギャラリー大和田にて開催されている。

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半・分解展とは

この「半・分解展」は主催者でありモデリストの長谷川氏の持つ、18世紀~20世紀の貴重なヴィンテージ衣装のコレクションを片側だけ分解して当時の技術を観察するという世界的にも類を見ない展示だ。

これまでにも京都、名古屋と巡回してきた本展示。広告は一切しておらず、口コミやSNSでの拡散シェアのみという手法ながらたくさんの人々の興味を惹きつけてきた。

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研究・分解された衣服の数々

長谷川氏が学生時代に出会った「100年前のフランスの消防服」が原点となり、その作りの細部にまで目を凝らし研究されてきた衣服の数々。分解された衣服には、標本の様にピンが打たれ、そこに分解に携わった人のメッセージが書かれている。本展示を見ていると、服は流行のためではなく、用途のために用途ごとに生まれてきたのだ、ということがよく分かる。

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そこには、歴史的価値や希少性はもちろんのこと、現代を生きる私達に語りかけてくる衣服のメッセージが詰まっている。一人ひとりの感じ方はそれぞれだが、あえて衣服の歴史や構造を知ることに要点を置かず、その衣服が様々な人に「どの様に映り価値を見出すか」に着目した展示は”個”に訴えかけ、感受性を持って「新たな価値」を見出され生まれ変わる。

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未来に必要な情報が何なのか。それを継承し残していくためにも、過去を知るということが、今を見つめ、己を知ることにつながっていくのではないか。
その背景や歴史とともに圧倒的な存在感を放つ約200年前の衣服。美術館の関係者でないとなかなか触れるのも難しいこの機会にぜひ足を運んでもらいたい。服作りに携わる方はもちろん、ものづくりに興味のある方であるなら、きっと心を揺さぶられる何かに気付かされるはずだ。

 

◇「半・分解展」

日時:12月8日(木)~12日(月)  開場10:00~閉場21:00
※本日最終日 12日(月)18時閉場
場所:ギャラリー大和田
住所:東京都渋谷区桜丘町23-21 渋谷区文化総合センター 2F
電話:03-3464-3251
入場料:1000円

■長谷川 彰良氏
ESMOD JAPON 東京校卒。企業パターンナーを経て2016年9月フリーモデリストとしての活動を開始。在学中から 自身のBlog「RRR129」にて、19世紀半ば~20世紀初頭のヨーロッパにおけるラウンジスーツ、ハンティングウェアを中心に、パターンや縫製について独自の研究成果を公開。国内外から注目される。「100 年前の感動を100 年後に伝えたい」をモットーに活動中。

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