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知見のある男は洒脱に着こなす
テーラード、スーツ関連のイベントやブランド情報を紹介
2017.12.11

栗原 2018 S/S 展示会レポート

1922年大阪 船場で帽子問屋として創業。今年で95周年を迎える帽子メーカー(株)栗原の2018 S/S展示会が恵比寿ガーデンホールにて開かれた。オリジナルブランド「override」「arth」をはじめ、数多くのライセンスブランドを手がける同社が開催する年2回おこなわれている大規模な展示会である。

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■”帽子をもっとメジャーにしたい”という強い想い

現在、全国に直営帽子専門店、約60店舗を展開している同社が掲げるのは、創業以来から変わらぬ、<『着物にカンカン帽』だった創業当時の帽子の被り方から、時代の変遷とともに帽子の流行、被り方も変化してきた。大正、昭和、そして平成、常に時代のニーズに応えながら、一歩先の帽子スタイルを提案したい>という思い。

この展示会は、店舗スタッフへ向けた内覧会・勉強会も兼ねており、全国から集まったスタッフ同士が情報交換する場として、帽子の被り方を実演。そうすることで各店舗からの発信力も高めている。「モノだけを置いていても相手には伝わらない。ここで情報を共有し、店舗のスタッフに伝えることで、その情報をお客様に伝えるきっかけにもなる。つながりが大事なんです」と、栗原社長は話す。

■夏の紳士の帽子、パナマハット

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オリジナルブランド『arth』の、アメリカンテイストのハイクラウン パナマ帽(エクアドル産のパナマ草を原料とした帽子)は、高さのあるボディに、広めのつばがバランス良く、モダンにコーディネートを楽しめる一品。リボン部に付けられたウィンドキャッチャー(飾り)は、元々は、風で飛ばされないようにスーツやジャケット、コートなどのボタン穴につなぐコードも付いたクラシカルな仕様だ。

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『override』の、携行性と洗える機能を付与したWASHABLE&PACKABLEシリーズ。

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パナマと並び、人気のある「カンカン帽」。スーツや和装にもよく合うので明治から昭和初期にかけては愛用者が多かったといわれている。素材は「花麦」と呼ばれる麦を編みこまれており、軽量でかぶり心地が良いのが特徴で、ナチュラルなカラーに黒リボンと、まさしく正統派のカンカン帽。

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■J∞QUALITYプロジェクト「帽志 -ボウシ-」

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創業95周年のノウハウと現代の機能性を兼ね備えた商品として、2017年春夏より取り組みを開始した、J∞QUALITYプロジェクト「帽志 -ボウシ-」。「洗える」「畳める」「軽量」「蒸れにくい」といった現代の機能を取り入れ、帽子づくりのすべての工程を日本国内でおこなった商品は J∞QUALITY商品認証を取得している。

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日本の伝統である、「藍染」「江戸更紗」「組紐」技法を使用したアイテム

 

今では、スーツに帽子を被ることで、逆にカジュアル感が出てしまい避けられる傾向にあるが、元々、帽子は、スーツとセットのもので紳士の着こなしの定番であった。日本では、洋服が一般に着られるようになった明治時代頃からスーツに帽子を組み合わせる装いが取り入れられ、昭和30年代には、麻のスーツにパナマハットが紳士の一般的なスタイルとして流行していた。当時の紳士にとって、服装にあった帽子を選ぶことは身だしなみの一つだったのだ。欧米文化とは生活様式が異なるため『スーツ+帽子』の文化が根づかなかったが、帽子を被ることで纏う気品と紳士の風格は、英国紳士を例として今も健在なのである。

 

株式会社栗原
http://www.kurihara-corp.com/

『override』
http://overridehat.com/

『arth』
http://arthhat.com/

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