スーツスタイルの楽しみ方
―――スーツの「こうすると楽しい」と思えるポイントがあれば教えてください。
ことスーツに関して言えば、社会的な服ですから、できたらユニフォームだと割り切って。当たり前のスーツ、紺のシングルブレストで、シャツは白かブルーで。ネクタイはレジメンタルストライプとかクレストタイとか、そういうのじゃなくて、無地で当たり前の格好がいいと思うんですけど。
スーツは規定演技みたいなもんですよね。だから規定演技の中にさらに自分の規則をつくって、さらにがんじがらめにしちゃうっていうんですか。これしか着ないとか。っていうのは逆におもしろいと思うんです。
陶芸で例えると、僕が好きなのは白磁か青磁なんですよ。焼き物をやっていた魯山人の言葉の中にも、要は、“コピーだけれどもどこを真似るか、真似どころがポイント”なんだと、それによって形が定まるんだみたいなことを言っている。これまさしくお洒落と同じじゃないかと思うんですよ。みんな社会生活していれば洋服を着ている訳ですから、出会う人の中で「あぁお洒落だな」とか、なぜその人に魅かれるのかといった時にポイントになるところがあると思うんですよ。そこを真似ると自分のお洒落が豊かになるんじゃないかと、ひいては個性みたいなものも出てくるのかもしれない。
だから態度が大事ですよね。生田耕作さんの本の中でも「完璧なダンディとは、言いかえれば完璧な演技人ということである」という記述があるわけですよね。つまり何が大事かっていうと”態度”なわけですよね。アティチュードと言ってもいいですけれども。態度は何かっていうと、思考・考え方ですよね。立ち居振る舞いも含めて。出会ったもの、知り得たものの中でどう自分で解析して取り入れるかによって、態度から発信するものが生まれてくるのかなという・・・
―――よく、洋服って感性だって言う人もいるんですけどね。それはとっても大事な部分だけど、その前に理論的な部分ってのが必ずあるんですよね。あまりそれを言うと「屁理屈だ」みたいなことになるんですけども、でも、とっても大事なことだと思うんですよね。
<スタイリング>
スーツ / オーダーメイド
シャツ / オーダーメイド
ネクタイ / Made in ITARY
カフリンクス / Tiffany & Co.
時計 / PATEK PHILIPPE “CALATRAVA”
ブレスレット / HERMES “Crescendo”
リング / M.Y.LABEL
シューズ / Corthay
<撮影協力>
ポ ブイユ RESTOVIN Pot-Bouille
〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南2-7-4 クオリア恵比寿サウス1F
TEL : 03-3791-8845
営業時間 : 6:00PM-L.O.10:00PM(土曜~L.O.9:00PM)
定休日: 日曜・祝日