―――今日は2015年秋から、15名の方々へインタビューをお願いしてきた河合さん本人に16番目のインタビューを受ける側になっていただいて、河合さんのファッションの関わりをお尋ねしていきたいと思います。よろしくお願いします。
こちらこそ
―――まずはファッションに目覚めたきっかけをお聞かせいただけますか?
ファッションへの目覚め
自分がその洋服っていうんですかね、自意識に目覚めたのはたぶん小学校5,6年生くらいだったと思うんですよ。ただそれはファッションということではなくて、衣服として存在が気になるというんですかね。そのあとファッションという意味では、中学生になって、ご多分にもれずVANがつくりだすアイビーっていうところにいくわけですよね。
で、高校生になって自分でバイトして、そういう服を買って身につけながらきたっていう感じですかね。そのときから大学生にかけて今度は、ヨーロピアンの方にシフトしていったんですよ。とは言うものの、一気にヨーロピアンで揃えられるわけじゃないので混ざり合いながら着てきたっていう感じでしょうかねその当時は。ですからヨーロッパの服とか情報とか街並みいろんなものを含めて、行きたいなとか憧れるのはヨーロッパでしたね。
花~ファッションへ
―――そのあと京都の老舗花屋さんを経て、花からファッションへ。このきっかけは?
それはですね。花屋時代ってのは、お洒落ができなかったんですね。つまり、ちゃんとした洋服を着れる業務じゃないんですよ。花屋さんってのは。見た目はキレイですけれども。それでお洒落心は封印されてたんですね。
でもまぁ自分で独立して花屋じゃなく花を触る仕事になった時に、こう余裕も出てきたりして服をまた気にしだしたんですね。そんな中でこの10数年、特にいろんな方と知り合いになったわけですね。ブラブラ歩いてるうちに。(笑)いろんなとこに顔出してるうちに。
ファッションへのこだわり
―――今度はファッションに関するお話をお伺いしていきたいんですけど、こだわっているポイントはなにかございますか?
ちっちゃなこだわりはあるのかもしれないですけどね。一番大事にしてるところっていうのは、自分が一番自然でいられるということですかね。ナチュラルでいられるというか。もちろん着心地も含めて。特に僕は来年60歳ですから、そう自分を格好良く見せたいってのはなくなってくるんですよ、正直なところ。それよりも他の人が見てて「あの人は自然なスタイルでいてるな」っていう風に感じてもらったり、自分もそう感じていたいっていう。。。
―――でも、洋服着倒してるんですよきっと。
いやいや、そんなことはないんですけどね。まぁ着倒せなかったから負け惜しみで言っているのかもしれませんね。
テーラードスタイルについて
―――JAPANESE DANDYを含めて、テーラードスーツの発信をしていきたいというのがひとつのコンセプトになっているかと思うんですけれど、河合さんが発信するというか、テーラードを着こなす上でのポイントはどこでしょう?
やっぱりそのテーラードスタイルのカッコよさはあると思うんですよ。男の人が何ポイントか上がるような服装スタイルであると思うし、それを知らずに人生過ごすのもつまらないんじゃないかと僭越ながら思うわけですね。そう思ったときに、あそこ(JAPANESE DANDY)に出ている方の姿を見て、“カッコいいよね”って単純に思っていただいて、何か得るものがあればいいかなとは思ってますけどね。
<スタイリング>
ジャケット:LA VERA SARTORIA NAPOLETANA
シャツ:HITOYOSHI
ネクタイ:ITTOU
靴:Alden