ライフスタイルを豊かに
素材の持つ季節感を活かして
秋冬スタイルを格上げするコーディネート術
―――メンズプレシャスのファッションディレクター、山下さんにスーツの次のステップというんですかね。楽しみ方みたいなものを教えていただけますか。
〈秋冬のコーディネート〉
日本のビジネスマンは海外と比べると一年中同じ素材感、色味のスーツを着ている方が多いなというのが気になっていまして、たとえば季節感のある装いを楽しんでもらいたいなと思っています。
そういう意味でおすすめしたいのがフランネルのような起毛感のあるスーツです。さらに、スリーピースですと着まわしの幅がとても広がってくるので良いと思います。もちろんグレーのフランネルもいいのですが、ブラウン系のスーツですと秋っぽい着こなしに映えるのでとてもおすすめです。
シャツは ピンホールカラーのようなものだと襟元がキュッと引き締まります。ネクタイもシルクのようにつるつるしたものではなくフランネルの素材感を使っていくと、知的でエレガントな雰囲気になります。
―――ネクタイも素材の季節感を大事にしたいですね。
足元も 日本の方々はスーツにスリッポンを合わせる方が多いのですが、ふつうのローファーではなく、サイドエラスティックのタイプのものであれば、マナーとしてもまったく外すことはないですし、とても品良く、かつ脱ぎ履きが楽なのでおすすめです。
こういったスーツを持っているとビジネスだけではなく、カジュアルなシーンでも使えるという点がポイントですので、そちらもご説明させてください。
〈秋冬のカジュアルスタイル〉
このフランネルスーツを使ったカジュアルな着こなしなのですが、こういった紡毛素材のスーツであれば、シャツやネクタイだけでなく、中にセーターを着て遊ぶこともできます。ちょっとレストランへお食事に行く際など、持っているとライフスタイルが豊かになるような気がします。
中にはこういったミドルゲージのセーターです。今日私が着ているようなポロネックのセーターというのも良いと思いますが、ミドルゲージぐらいの網目のセーターでも良いと思います。
私の私物なのですが ブレイシス(サスペンダー)こういうもので遊んでもおもしろいですね。足元はタッセルローファーなどが秋冬のカジュアルシーンにはいいのではないでしょうか。茶色もぴったり合うのですが、あえて黒と茶というコンビネーションもとても上品なので、こういうものを持つことも豊かなライフスタイルには欠かせないのではないかと思います。
<衣装協力>
スーツ / 三陽山長
シャツ / 三陽山長
ネクタイ / 三陽山長
サスペンダー / 山下氏私物
シューズ / 三陽山長
<SPECIAL THANKS>
大塚将生 Art director & Graphic designer
marron’s inc.
山下 英介氏 / エディター
(やました えいすけ、1976年 -)埼玉県出身。
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。