政近―――今日は コニカミノルタの甲田さんにいらっしゃっていただいているんですが、甲田さんのファッションの変化について色々とお話をお聞きしたいと思います。まず、コニカミノルタで作られた製品があるというところからお聞きしたいんですけれども。
Kunkun bodyについて
甲田―――こちら「Kunkun body」というデバイスなんですが、人の体臭を測れるという機械でして、汗臭、ミドル脂臭、加齢臭というものを数字で表してくれるという、そういった機械を作っています。
政近―――コニカミノルタさんで、こういった臭いの開発というのは新しい分野なんですか?
甲田―――コニカミノルタは元々カメラやフィルムの技術がベースなんですけれども、臭いを測るという意味では全くそういった知見がない会社なので。
政近―――すごいですよね。
甲田―――ぼくらが大学の先生と一緒に共同開発で新たに獲得した技術です。
パーソナルスタイリング
政近―――こんな文明の利器が出てきましたけれども、なかなか装いやファッションというものはこういった数値化がしにくいものなんですね。実は私がやっていることは、数値化まではいかないんだけれども、こういう風に考えれば服装って大体これでいいんじゃないかということをお客様と共に導き出していくというのがパーソナルスタイリングの仕事なんですけれど。ただセンスで お洒落だねとか、そういったことからはビジネスマンのファッションは入りづらいし、信用というところを表現するのはそこじゃないと思われていると思うんですけど。
ファッションの変化について
甲田―――まさにそうですね。以前、政近さんにコンサルティングしていただいた時に、自分がどういうポジションにいて、どういった所に流れていくと自分にしっくりくるのか。自分の個性にどう合うのかというところの方向感を示していただいたので、それ以降はそういった目線で服を選んだり、ネクタイを選んだり出来るようになったと感じています。
政近―――効果として少し見えるようになった時には、お店の使い方とか変わられました?
甲田―――私としてはこういう雰囲気のものを探していて、かつ、どういう場面で使おうと思っているのかとか、そういった販売員さんが判断しやすいような情報を提供できるようになったという実感はすごくあります。そこは見える化していただいたんだなとすごく実感していますね。
政近―――甲田さんと春に出会ってから、真夏の暑い時に何回かお会いした時に、ビシッとネクタイをされていてちょっと感激したんですよ。
スーツスタイルの活用法
甲田―――普段、皆さんクールビズで上着も着ず、半袖のボタンダウンのシャツを着て歩いていると、なんだか みんな同じように見えてきてしまって。その中で、ちょっとネクタイしているだけでも十分に差別化できるし、仕事のコミュニケーションをとる上でも自分がリードできる。服がぼくにとっては戦闘服になっているという意識がすごく強くなったので、だから、逆にネクタイをして、今日はやっつけるぞみたいな、そんな感じで服は活用できるなと感じています。
政近―――コンサルティングを受けられた時に、まだよく分からないなりに質問に○をしてくださったりして、今のお立場とか、今後、商品を先頭に立って売ったりプレゼンスをするにあたって、どうすれば効果的ですかというところにご自身で分かられて○をつけられているんですよね。
新しい価値観を受け入れる
政近―――だから、甲田さんがガラリと変わったというよりは、元々そういった素質を持っていて、こっちの方がいいなと、素直に人生も物語も運んでいっているという最中ですよね。
甲田―――今までの自分が持っている価値観じゃない新しい価値観があるのかなと思っていて、それは今まで自分が思っていた”人からの見え方”。自分はこう見えているのではないかという自分の今までの思い込みから、もっとこう見られてるんじゃないの?という意見や示唆というものを、ぼくの場合は受け入れられたからこそ、変化を楽しめるようになってきているので。
政近―――甲田さんが今、効果を知られたからこそ、一歩を踏み出せない人たちに対して、私では言えない何かがあると思うんですが。
自分のステージに合わせた選択
甲田―――たとえば、あるお店でスーツを一式買いましたといった時に、あるお店で買った一式と、あるお店で買った一式を、本当は上手く混ぜ合わせることができるんだろうけれど、このセットで買っちゃったからこのセットでしか着れないみたいな、ワンパターンでしか判断できないというのが今までの服の買い方だったなと思ったんです。政近さんに見ていただいて思ったのは、自分の中の軸に合うものは何なのかという見方ができるようになった、自分の今のステージに合わせて色んなものを選択できるようになれると思うんです。
本当の変化とは
政近―――癖とか、こっちでいいんじゃないという気持ちから、本当の変化をもたらすというのは、単純にそっちの方が似合うよ、お洒落だよ、というだけでは続かないと思うんですよね。やっぱり日々のTPOに加えて、ソーシャルや会う人に対する敬意というか、そこから戻ってくる人間関係だとか、それが継続していくことが変化をしたということになるので、その効果がちゃんと続けば良い意味で服も必要ですしね。
甲田―――むちゃくちゃ買うようになりました。
政近―――それいいですね。業界にとっても。
<スタイリング>
スーツ:Fashion Rescue
シャツ:HACKETT LONDON
ネクタイ:HACKETT LONDON
チーフ:HACKETT LONDON
靴:HACKETT LONDON
時計:Orobianco
<撮影協力>
ファッションレスキュー
〒150-0012
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-38-10 AIKビル201
TEL:03-6804-3173
ホームページ:http://fashion-rescue.com/