―――今日は横浜市の公務員、奥住さんに色々お聞きしたいと思うのですが、奥住さんのファッションの原点について教えてください。
父も母もそうなんですけども、祖父も含めて一族郎党、洋服が好きな家系でかなり小っちゃい頃から父親の着せ替え人形じゃないですけど、「ちゃんとネイビージャケット着ろよ」とか「ボタンダウンシャツはこうやって着るんだぞ」みたいなのは小学校くらいから叩き込まれるような雰囲気があってですね。それでもう必然的に服が好きになったっていうのはひとつありますね。
―――高校生、大学生になって自発的に装いたいとなってくると思うんですよね、その頃に影響を受けたスタイルはどういう感じでしたか?
僕の青春時代っていうのがいわゆる90年代なんですけれども、祖父や父にトラディショナルでオーソドックスな服を教え込まれてたんですけども、その反発じゃないですけど思いっきりストリートファッションの方に一回振りまして。「スーツとか着てるのばかばかしいぜ」みたいな感じで。かなりいろんな格好をしましたね。
―――そういう時代があったんですね。
ありますね。
―――やっぱり音楽の影響が大きかった?
音楽もそうですね、ちょっと前の世代だったんですけどイギリス人のポール・ウェラー、スタイル・カウンシルがいて、高校1年か2年の時に先輩から教えてもらって、そのオシャレさ加減に大ショックをうけて。スタイル・カウンシルのプロモーションビデオも全部集めて、、、
―――奥ちゃんのアイコンだったわけですね。
ポール・ウェラー大好きでかなりシビレましたね。
―――今日のコーディネート、フレスコのジャケットを着ていらっしゃると思うんですけども、着こなしについてはいかがでしょう。
ネイビージャケットってけっこう僕の中では永遠のアイテムっていうか、トラッドなアイテムだと思うんですね。あまり重たい印象も与えず、かといって、軽薄さもないっていうところでいうと、非常にバランスの取れてるアイテムだと思っていて。
―――気楽に深く突き詰めていけるアイテムですよね。もちろん素材感の違いによる、そういう考え方もあるし。ではですね、奥住さんにとってのテーラードスタイルについての考え方を聞かせてください。
難しいですね。いろんな方の意見はあると思うんですけど、ちゃんとした服を着るっていうのは趣味とか、その人の趣向ではなくて私個人は教養だと思っていて、オシャレをすること=(イコール)スーツスタイルじゃなくて、働く男としての教養の一つとしてスーツを捉えると見え方がだいぶ変わってくると思うんです。
―――人への配慮も含めて。
配慮も含めてですね。敬意を表していることにもなると思いますので。若い人に聞かれてもよく答えるのが「スーツを着れる仕事をしていることに誇りを持て」とよく言うんですね。スーツを着る仕事って、世の中の仕事がすべてスーツを着るわけではないじゃないですか。自分はシャツ着てネクタイして、バシッとスーツきて毎日会社に行くんだっていうのが、ひとつのステータスと捉えようと思えば捉えられるので。同じ話をしていても、ちゃんとした正式な場に身だしなみを整えていらっしゃった方が胸を張って話されるのと、なんとなくグズグズっとだらしない感じの方だと、全然もう話を聞く前から受ける印象が違っちゃうんですね。人間ってどうしても第一印象は見た目で判断しちゃうので、そういった意味でもスーツ着て仕事する人にとっての一つの教養なんだなというのはよく感じますね。
―――よくいうと「人間中身だよ」というのは間違いなく前提なんだけど、でもやっぱりそこに至るまでの外身というかが大事だと、よりスムーズに入っていけるっていうのは確かですよね。
<スタイリング>
ジャケット / Tailor Grand
シャツ / オーダー
ネクタイ / Charvet(シャルベ)
チーフ / Charvet(シャルベ)
ボトムス / INCOTEX
サスペンダー / ALBERT THURSTON
ソックス / 信濃屋オリジナル
時計 / ROLEX
シューズ / Lloyd Footwear
<撮影協力>
月詠珈琲 西麻布店
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TEL: 03-5786-0949
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