―――本日着ていらっしゃるお洋服のことについてお話いただけますか?
本日の着こなしについて
スーツスタイルっていうのは、サラリーマンみたいなもので仕事着ではありますから、そういう意味では機能性みたいなことを割と重要視していて、その中で自分なりの格好をしているというとこですね。この格好にしても、ちょこちょことルール違反を犯しながらも、ある一定の枠内にはおさまっていくようにっていう風には。
―――それは見てとれますよ(笑)
「JAPANESE DANDY」について
僕は「JAPANESE DANDY」に出してもらった中でもめずらしい”ダンディズム”を研究していたっていう飛び道具的な場所にいるかなっていう風には自分では思っているんですけど。
―――リンゴ投げてましたしね。
そうなんです(笑)。あの時には、リンゴは関係ないんですけど着てた服っていうのは、ボードレールの格好を真似していて。現代においてもそういう格好があり得るというか、多少は変わっているにしても多少しか変わっていないし、その格好で外を歩いていてもおかしい訳じゃないっていう風にですね。河合さんに「JAPANESE DANDY」の企画を聞いたときに思ったんですよね。というのは、僕らも結局ボードレールの写真を見て、彼がどんな格好をしていたか、どんな顔をしていたかっていうのを見るわけですけど、「JAPANESE DANDY」も恐らくそういう意味では歴史的に見るというか、後の世に残っていって当時の日本人がどういう格好してたと思うって知りたい人が見たときに、ある程度のリアリティーを持った服装っていうのがあった方がいいんだろうなと思って。召かし込んでます。
―――記録としての価値も生むんじゃないかと思って作ったのが、「JAPANESE DANDY」を作ろうと思ったきっかけなんですよね。では最後に、鈴木さんが考えるドレスアップについて教えてください。
ドレスアップについて
ドレスアップっていうと僕がイメージするのは、やっぱり特別なシーンのためにあえて着飾るみたいなところなのかなって思うんですけど。例えば、ダンディーの歴史的に最も有名な人物にボー・ブランメルっていうのがいますけど、そういう人たちにとっては毎日がドレスアップだと思うんですよね。ネクタイ選ぶのに2時間、3時間。ヒゲを剃ったり、髪の毛を整えたりとかっていうのでとんでもない時間がかかるわけですよ。
その人たちにとってそれはドレスアップなのかもしれないけど、それを毎日やっているわけですよ。やっぱり毎日できることっていうのかな、特定の環境に合わせて着飾ったものって取って付けた感みたいなものがあると思うし、誰かカッコいい人っていうのをどこかで見つけた時って、その人がその時の場面のためにわざわざその格好をしてきたわけじゃなくって、やっぱり普段からそういう格好をしているし、特に格好だけじゃなくって、その人の所作とか動き方、しゃべり方っていうのは、これはもうつねに同じなんじゃないかな。そこが実は本当のドレスアップなのかなと僕は思いますね。
―――特別なことじゃない?
いかに特別じゃなく着るか。
<スタイリング>
スーツ:TOMMY HILFIGER
シャツ:GENTRYFY
ネクタイ:BROOKS BROTHERS
ベルト:et vous
時計:SEIKO MARINEMASTER PROFESSIONAL 300M
シューズ:BROOKS BROTHERS