ぼくがメンズクラブの編集長時代、ライバル誌として最も手強かったのが世界文化社のこの雑誌。メンクラにはアイビー、プレッピーを基本にするアメリカン・トラディショナルというルーツがあったが、EXには亡くなった落合正勝先生が提唱したクラシコ・イタリア路線があり、時代の風はそちらに向かって吹いていたからだ。モノ雑誌Beginの編集長としての実績をひっさげて就任した金森ーーー新編集長は、EXを「スーツを着る人のための雑誌」と明確に定義。これからのクラシコに、男のドレスアップにどんな新風を吹き込むのだろうか?・・・・・・ホスト林 信朗敬白
「MEN’S EX」について
林ーーー第4回の今回は メンズファッション誌の老舗中の老舗の一つであります世界文化社の「MEN’S EX」の金森編集長をお訪ねしております。どうぞよろしくお願いいたします。今「MEN’S EX」は老舗だと申し上げましたけれども、どの程度の老舗ですか。
金森ーーー1994年に創刊しまして、今年の4月で25年目に突入します
林ーーーすごいですね。四半世紀ですか。じゃあ何か特別な企画とか編集長オリジナルの考え方とか反映されているんですか?
金森ーーーよく雑誌って 世代で切られることが多いと思うんですけど、ターゲットはおいくつですか とか。
林ーーー必ず聞かれますよね。
金森ーーーそこを色々考えていて、「MEN’S EX」はそもそもターゲットがいくつというのは違うんじゃないかなと。年齢ではなくて、スーツを着る人というのを背骨にして、それぞれに合ったモデルさんだとか年相応に見えるモデルさんを起用しながら見せていきたいというのがありまして。それを25周年イヤーからスタートさせて、点ではなく面で盛り上げていければなと思っています。
「MEN’S EX」とクラシコ・イタリア
林ーーーぼくは「MEN’S CLUB」という雑誌をしばらく担当しておりましたけれども、「MEN’S EX」と「MEN’S CLUB」の違いは、「MEN’S CLUB」はアイビーがどこか背骨の中にあるんですよ。「MEN’S EX」はクラシコ・イタリアですよね。これからの「MEN’S EX」とクラシコ・イタリアをどのように特集されたり取り上げられたりするのか、その辺りの考え方を伺いたいです。
金森ーーー「MEN’S EX」はクラシコ・イタリアというものに支えられてきていて そこはとても大事にしております。でも色々と考え方を変えていきたいなと思っていまして、クラシックにとらわれすぎて今のニーズに合わなくなってしまうのが一番怖いなと思っているんです。例えば、ちょっと前までは邪道だと言われていた機能系のスーツがありますよね。そういったスーツもファッションの観点から見ると邪道かもしれませんが、まだまだ暑い中、営業まわりされてらっしゃる40代は汗をかくだろうし、雨の日でも動くだろうし。そういった方にはやはり機能系のスーツの方がいいだろうなと。そうではない、もっとエグゼクティブな皆さんは車で移動される方も多いでしょうし、そういった方はクラシコ・イタリアの高級なスーツを仕立てられたり着られることが多いと思います。そういったクラシコ・イタリアと今流のトラッドをミックスしながら紹介していきたいなと思っています。
スーツの本質
林ーーーこのところ、スーツの考え方というのが大分変化が出てきているなと思いますね。たしか「MEN’S EX」でも特集されていましたが、最近はオーダーメイドの記事が多くないですか?
金森ーーースーツの本質は高い安いではなくて、いかに自分の身体に合っているかという点が大事だと思います。どれだけ高いスーツでも自分の身体に合っていないと全然格好良く見えないですし、カスタムオーダーやパーソナルオーダーをまずトライして、自分の身体に合ったスーツ、そんなに高いものではなく、そこにチャレンジして、いかに自分の身体に合ったスーツを着ることで見え方が変わるか。
林ーーー着心地も良いですよね。
金森ーーー着心地は本当に違いますね。変に突っ張らないですし。
センスアップの方法
林ーーーもちろん「MEN’S EX」をお読みになればドレスアップやスーツの着こなしの秘訣が出ていますが、それ以外にも 自分のセンスアップを図るために編集長はどんなことを心がけてらっしゃるんですか?
金森ーーー自分を例にするのも僭越ですが、やはり服だけにとらわれず、色んなアクティビティをしていけるといいのかなと思います。旅に出掛けるとか、冬ですとスキーとか。私もスキー始めたんですけど。
林ーーー内に籠もっていてはダメだということですよね。
金森ーーーそういった色んな情報や、色んな素敵な人に会って自分というのが磨かれていくのではないかと思っています。
金森流センスアップ
林ーーーこれからの男性にドレスアップを勧める際に金森編集長はどういうスタイルがお勧めですか?
金森ーーートレンドとかで言うと色々あるんですけど、個人的な考えでいいですか?
林ーーー個人的なものがお聞きしたいです。
金森ーーーどうしてもやはり、その服を着て実家に帰れるかどうかというのが自分の中にあります。
林ーーーそれはどういう意味ですか?
金森ーーー都会で生活しているとすごく着飾っても、とても馴染むんですけど、自分だと地方から上京してきているので。
林ーーー編集長は滋賀県出身ですか。滋賀の実家にも帰れるスーツスタイル。
金森ーーー実家に帰って、近くのおじさんおばさんに格好良いねと言ってもらえるかどうか。
林ーーー面白い発想ですね。でも大事なことですよね。大人としては。
金森ーーー私が考えるドレスアップというのはお会いした相手が不快にならないスタイルですね。この人チャラいなと思われないことが私なりのドレスアップですね。
林ーーーチャラいと思われないスタイル。面白いですね。そういう編集長の新しい視線と提案が入った「MEN’S EX」はこれからも楽しみですね。
金森ーーーどうもありがとうございます。
<撮影協力>
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<出版>
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MEN’S EX(メンズ・イーエックス)