河合:
今日は シューズデザイナーの坪内さんに
色々お話を伺いたいと思うんですが
坪内さんの洋服に対する原体験や
こういうことで洋服が好きになった
というところをまずお話し願いたいと思います
坪内:
中学生くらいだったと思うんですね
やはりVANだったと思います
自分の兄なども そういうものに興味を持っていたし
そういう影響もあったと思いますね
それとあとは ピーターポールアンドマリーとか
いわゆるフォークの方々
彼らは割とアイビーなスタイルで
そういったことから洋服に興味を持った気がしますね
河合:
名古屋にもアイビーの方はずいぶんいらっしゃった?
坪内:
いました
お洒落な奴らが集まる場所はどうしても決まっちゃうので
たとえば栄とか そういうところですね
1969年が高校に入った年なんですね
ということは ウッドストックがあった時代なんですよ
世の中も どんどんああいう流れになってきて
だから高校に入った頃は
もう長髪にしようと思っていて
河合:
ウッドストック系になってたんですね
坪内:
学校に行く時はVANのボタンダウンのシャツに
黒いパンツをはいて
REGALのプレーントゥか
ローファーみたいなスタイルで行きつつ
帰る時は ベルボトム的な
ヒッピー的なものに移っていくという時代でしたね
河合:
それから東京に出ていらっしゃって
靴の学校に
坪内:
そうですね 靴の学校に入って
その当時は 時代がすごく変わっていく時だったので
REGALとかそういうものはありましたけど
もう少しヨーロッパ的なデザインのものがなかったので
そういうものを自分で作れないかと
思ったのがきっかけで
靴のデザインも面白いなということで
靴の学校に入ったという経緯ですね
河合:
なんで靴だったんでしょうね
坪内:
洋服に行っても良かったと思うし
でも靴が一番興味深くて
なぜかずっと靴を飽きずにやってきているので
それだけ面白かったのかなと改めて思います
河合:
そんな坪内さんが 今街を歩いてらっしゃる
ビジネスマンのスタイルってありますよね
今 割と黒いスーツを着てらっしゃるんですけど
それも踏まえて どういう風に思われていますか?
坪内:
相対的に言えば きちんと洋服を着ていない方が多いと
僭越ですが思ったりします
もちろん きちんとされた方もいらっしゃいますけど
ぼくは やはり靴のデザインをしているので
どうしても靴に目がいくんですが
靴がひどいと 洋服もひどいという方も多いし
日本のビジネスのスタイルは どんどん
崩れていく方向にあるなというのは実感として大きいですね
もう少し洋服を楽しんで
きちんと見られる、見せるという要素が
もう少しあったらいいのかなと思います
河合:
少しご自身で意識を持って
スーツなどを考えられると
とても楽しいじゃないですか
コーディネートしたりするのは
そこまでちょっと意識を持っていただければ
随分変わってくるんじゃないかとは ぼくも感じますね
河合:
どうしたら洋服を楽しく着られるか
というところをご提案していただけますか
坪内:
すごく難しいですけど
まずは興味を持たないと
そういうところに至らないと思うので
最低限 興味を持っていただくということ
洋服もインテリジェンスだし
仕事の一環のことだと思うんですね
今 そこが欠如しちゃっていて
そういうものも
一つのビジネスの道具になったりするはずなのに
そこの意識が全く無いので
もう一度意識する、興味を持つことが一番大事だと思います
世界が広がっていくし
楽しみが広がっていくことなので
そういうものを無くす必要がないと思うんですよね
河合:
洋服や靴に意識を向けた時に
なかなか取っ掛かりが分かりづらいと思うんですね
坪内さんが長年培ってきた経験の中で
これは気を付けた方がいいよ
こういうものを持った方がいいよ など
アドバイスを
特に若い人に向けてしていただければと
坪内:
やはり基本的な 例えばグレーのスーツから入るとか
ネイビーを持つとか
たぶんグレーとネイビーを持っていれば
大体は済ませられるし きちんと見られるし
あとはサイズ感、フィッティングがきっちりしていれば
それだけでかなり好印象になると思います
靴は たとえば
キャップトゥのオックスフォードであるとか
せめてプレーントゥみたいなものなど
ベーシックなものを持っていればいいと思うんですよね
チーフやタイで変化を付けられますし
狭いながらも 実は奥行きの深い
着こなしや楽しみ方が出来ると思います
河合:
今 仰っしゃったようなベーシックなアイテムは
逆に言うと とても便利な服であり 靴なんですよね
何にでも合わせられるし
ちょっと踏み込んでジーンズに合わせてもいいですし
まずそこから揃えて
ベーシックを知るということですよね
坪内:
ベーシックだけど 実は
とてつもなく奥深いところなので
そういうことに気付いたら
どんどん泥沼にはまっていくというか
そういう域まで行けたら また楽しいですけどね
ぼくは まだ色んなものをこういう風に
着ちゃったりするので なかなかその域に行けませんけど
でも まず取っ掛かりとしては
誰にでも好印象だし 良いかと思いますね
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